繊維特性に起因する苦情から-10

有限責任中間法人 日本繊維技術士センターの
顧問 松尾 繁 氏が執筆されました。
【繊維特性に起因する苦情から】
の内容を松尾繁氏のご了解を得まして記載させいいただきます。
内容は生地の種類別に記載されていまして、『綿』、『麻・毛・絹』
、『再生繊維・アセテート・ポリエステル』、『ナイロン・アクリル』
と四つに分かれています。
きっと皆さんにとって参考になることと確信しまして松尾氏にご無理を
お願いしまして記載させていただくことになりました。
このブログにて改めて感謝の意を表します。
        【 麻 ・ 毛 ・ 絹  】
   3. 麻の特性に係わる品質苦情
3-1   フィブリル化に関する苦情
3-1-2   繊維の脱落→摩耗→薄破れ
 近年、風合いのソフト化が要求されるため、麻のペクチン質
などの膠着物を多めに除去して繊維の集束をゆるくして柔らかさを
出した製品が多くなってきた。
麻のペクチン質を落としてソフト化した製品は着用・洗濯すると糸が
単繊維に分かれ、更にフィブリル化して脱落して薄破れになる。
外衣は続けて着用しないので特に問題はないが、着用中摩擦される肌着
のわきの下やシーツのお尻が当たる部分が意外に早く薄破れになる。
国内では麻製品を生産・加工する工場が少なくなり、風合いや耐久性
を考えて適正な仕上げをする技術者がいなくなったためにこのような問題になっている。
3-1-3    濃色染め衣料の白化
 麻製品といえば生成りや淡色であったが、近年紺や赤などの濃色の婦人服
か゜市販されている。
食べこぼしで膝の部分が汚れた場合、急いで濡れたハンカチで擦ると、乾いた
後そこだけか゜白っぽくなる。
染料が落ちて白っぽくなったのではなく、毛羽だって光沢が変わり白っぽく
見えるようになった白化現象である。
一度白っぽくなると元通りに直すことはできない。
 「汚れを取るときは決して濡れたハンカチやテッシュで擦らず、
叩くようにしてください。」などの取り扱い注意表示が必要である。
 

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