繊維特性に起因する苦情から-16

 

有限責任中間法人 日本繊維技術士センターの
顧問 松尾 繁 氏が執筆されました。

 

【繊維特性に起因する苦情から】
の内容を松尾繁氏のご了解を得まして記載させいいただきます。
内容は生地の種類別に記載されていまして、『綿』、『麻・毛・絹』
、『再生繊維・アセテート・ポリエステル』、『ナイロン・アクリル』
と四つに分かれています。
きっと皆さんにとって参考になることと確信しまして松尾氏にご無理を
お願いしまして記載させていただくことになりました。
このブログにて改めて感謝の意を表します。
        【 麻 ・ 毛 ・ 絹  】
  4.  毛の特性に係わる品質苦情
4-1  羊毛(ウール)の特性に関する苦情
4-1-3   ズボンの股下の薄破れ
 本来梳毛織物はスーツに用いられ、風合いの柔らかさを特徴とするツイードなどの
紡毛織物はジャケットなどにもちいられた。

 

しかし、ソフトな風合いを好む最近の傾向を受けてツィードが婦人用ときいえ上下
スーツに用いられ、股下部の繊維が摩擦して脱落し薄破れになった苦情がある。
この場合生地が悪いとはいえず、スーツにツィードを選択した商品企画に問題がある。
素材の流行やおもしろさだけを取り上げて素材の性質をあまり考慮せず商品化した衣服が時々見受けられる。
素材特性を知ってそれを生かした商品企画をしてほしいものである。

 

 紡毛織物でもフラノは紳士スーツとして用いられている。
しかし、通勤着として毎日着用していると股下部分が薄破れになる。
減反の加工段階で十分縮絨をかけ地わ詰めている生地は問題ないが、ソフトな風合いに仕上げるために縮絨を十分行わずに仕上げた生地は薄破れの問題が出るので、減反の受け入れ検査では耐摩耗性について十分チェックをすることが必要である。
4-1-4      物理的皮膚刺激
 「とっくり襟のセーターを着て首筋がチクチクしたことがありますか」と質問すると、大抵「チクチクした経験がある」との答えが返ってくる、羊毛は羊の体の部位により細くて柔らかい(わた毛、下毛)と太くて硬い毛(刺し毛)がある。

 

その中で特に太い毛が混じるとその毛が直接皮膚を刺激してチクチクする。
特に毛布の場合は夾雑物がいくあるかによって合格・不合格を判定することがある。

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