繊維特性に起因する苦情から-22

有限責任中間法人 日本繊維技術士センターの
顧問 松尾 繁 氏が執筆されました。
【繊維特性に起因する苦情から】
の内容を松尾繁氏のご了解を得まして記載させいいただきます。
内容は生地の種類別に記載されていまして、『綿』、『麻・毛・絹』
、『再生繊維・アセテート・ポリエステル』、『ナイロン・アクリル』
と四つに分かれています。
きっと皆さんにとって参考になることと確信しまして松尾氏にご無理を
お願いしまして記載させていただくことになりました。
このブログにて改めて感謝の意を表します。
        【 麻 ・ 毛 ・ 絹  】
5    絹の特性に係わる品質苦情

5-1   スレ (摺れ)に関する苦情
 絹は濡れた状態で擦られると繊維がフィブリル化して毛羽立ち白ぽくなる(白化)。
絹の場合はこの現象を「摺れ (スレ)」と呼んでいる。
 無地のネクタイ、婦人服、和服などに食べこぼしによってしみができることがある。
しみを急いで取るために濡れハンカチで擦ると、乾いた後その部分が白ぽくなる。
この白化は毛羽立ちよるもので直すことができない。
絹についた汚れを取るときは決して擦らず、ハンカチやティシュに移し取るようにして
汚れを取ることが必要である。
和服は金箔・銀箔や金泥なども使われているので、しみ抜きはこれらの補修も出来る悉皆(しっかい)屋に出すことが必要である。
最近では食べこぼしでもしみにならないように、呉服店(売り場)では仕立てする前に
反物の段階ではっ水・はっ油加工を行うことを勧めている。
5-2    静電気に関する苦情
 絹のパーティドレスはオーダーメイドで仕立てられることが多い。
薄地の場合は目付が軽いので、冬の乾燥時に仮縫いすると「静電気で
生地が体にくっついて仮縫いができない」といわれる。
しかし、仮縫いは小さめの部屋でお湯をわかして部屋の湿度を上げて
行えば特に問題はない。
 また着用中に服が体に巻きついて歩きにくいことがある。
この場合、市販の帯電防止スプレーを衣服にかけて静電気を除去する
方法があるが、スプレー液が蒸発してしまうと効果がなくなり持続性がない。
導電性の繊維を挿入して帯電を防ぐ方法もある。
導電性繊維は作業着とかカーペットなどに使用されているが、衣服に挿入した
場合は導電性の繊維が黒く見えるという外観上の問題があり、衣服に使用するのは無理のようである。
 冬の乾燥した日は、今までの経験で帯電しにくいと記憶している衣服や肌着
を選んで着用するか、少し厚めで硬めのすべりのよい生地の衣服を着用すると
静電気障害が生じにくい。
  

 

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