繊維特性に起因する苦情から-38

有限責任中間法人 日本繊維技術士センターの
顧問 松尾 繁 氏が執筆されました。
【繊維特性に起因する苦情から】
の内容を松尾繁氏のご了解を得まして記載させいいただきます。
内容は生地の種類別に記載されていまして、『綿』、『麻・毛・絹』
、『再生繊維・アセテート・ポリエステル』、『ナイロン・アクリル』
と四つに分かれています。
きっと皆さんにとって参考になることと確信しまして松尾氏にご無理を
お願いしまして記載させていただくことになりました。
このブログにて改めて感謝の意を表します。
             【ナイロン・アクリル】
  9-3  モノフィラメント使いに関する苦情
  9-3-1  よこ糸にモノフィラメントを挿入した織物
 輸入された生地や衣料品には、ナイロンモノフィラメントを挿入した
織物がある。
ワイシャツにアイロンを掛けた時生地のよこ糸が熱溶融し、たて方向
に裂けたという事例があった。
組成表示が綿70、ナイロン30で、たて糸が綿糸100%、よこ糸がナイロン
モノフィラメント100%であったためによこ糸が熱溶融して生地がたて
方向に裂けたのである。
交織でナイロンモノフィラメント100%のよこ糸を使った布は熱溶融
しやすい。
しかし、同じ温度でも混紡であれば溶融しないことが多い。
この製品の場合は組成表示だけでは交織であるのか混紡糸使いであるか
わからない。
モノフィラメント使いの織物は日本には少ないので、クリーニング店も
通常であれば混紡糸として扱うであろうと思われる。
製品にはアイロンがけの注意表示が必要である。
    9-3-2  ベルト芯
 ベルトはよこ長であるので、よこ方向の曲げに対しては柔軟で、たて方向
には剛直であることが要求される。
したがって、ベルト芯のたて糸にかなり太いナイロンフィラメントを用いた
ものがある。
モノフィラメントは着用中、芯地の織物組織の中で動きやすく、ベルトの
表地を突き破って出てきてお腹の皮膚を刺激した例がある。
着用中にモノフィラメントが突き破って出てこないように厚地で覆うような
仕様にするとか、またはモノフィラメントは使用しないなどの対策を講じる
べきである。

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