繊維特性に起因する苦情から-40

有限責任中間法人 日本繊維技術士センターの
顧問 松尾 繁 氏が執筆されました。
【繊維特性に起因する苦情から】
の内容を松尾繁氏のご了解を得まして記載させいいただきます。
内容は生地の種類別に記載されていまして、『綿』、『麻・毛・絹』
、『再生繊維・アセテート・ポリエステル』、『ナイロン・アクリル』
と四つに分かれています。
きっと皆さんにとって参考になることと確信しまして松尾氏にご無理を
お願いしまして記載させていただくことになりました。
このブログにて改めて感謝の意を表します。
  10 アクリル繊維の特製に係わる品質苦情
  
  10-1  ボアの繊維集束に関する苦情
 子供服やコートの襟や袖口にふっくらした温かいボアが使われている。
クリーニングに出したら「風合いが悪くなった」といわれることが多いが
、よく見るとボアの繊維が筆先のように集束してクリーニング前のような
ふっくらとした感じがなくなっている。
一旦繊維がこのように集束するとブラッシングしてももとの状態には戻らない。
原因はクリーニング溶剤中の粘性汚れの付着やタンブラー乾燥のかけすぎによっ
て繊維の集束が起きると考えられる。
クリーニングする時は、ボアの衿や袖口を取り外して、本体とは別に洗うことが
できるような仕様にすることが望まれる。
 10-2 モール糸に関する苦情
 10-2-1  モール糸の飛び出し
 モール糸にはアクリル繊維が多く用いられ、セーターやジャケットなどに商品化
されている。
モール糸の花糸は花糸と押さえ糸によって直角方向に把持されているが゛、完全に
直角ではなく僅かに傾斜している。
そのため着用中の動作によって織編物のモール糸が毛のフエルト化の場合のように
1方向にのみ動き、組織の中から飛び出してくる。
モール糸が布地から多数飛び出すと元通り戻すことはむつかしい。
ニットの方が織物より組織はゆるいのでモール糸は飛び出しやすい。
モール糸をニットに使用する場合は飛び出しについて事前にチェックして
おくことが必要である。

 

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